車いすバスケットボール障害の種類は?クラス分けや対象者・ルールについて

本記事にはアフィリエイト広告が含まれます。 (ステマ規制法の表示義務により全ページに表示しています。)

車椅子を使った競技は射撃や卓球、車いすテニス、車いすラグビー、ボッチャなど数多くあります。

中でも人気が高く、パラリンピックでも注目されているのが車椅子バスケットボールです。

1940年代にアメリカ合衆国でリハビリの一環として始まり、

1960年第一回パラリンピックローマ大会から正式種目として取り入れられています。

団体競技の中では、車椅子バスケットボールがパラリンピックでは、一番歴史が長いですね。

車椅子バスケには、特有のルールやクラス分けの仕組みがあります。

今回は障害の種類や対象者、クラス分け・ルールについて調査していきます。

  • 通常のバスケと違うルールは?
  • 障害の種類対象者
  • 障害のクラス分け一覧
  • 用具やゴールの高さは?

初心者の方でも分かりやすく、このスポーツの魅力と楽しさを理解できる内容です。

ぜひ最後まで、お付き合いくださいね。

車いすバスケットボールの障害の種類や対象者

足に障害がある人が対象

車椅子バスケットボール対象選手の障害は、主に下肢などに障がいがある選手です。

・脊髄損傷

・切断等下肢に主な障害

手の障害の有無は特に基準はないようです。

障害の程度は人それぞれ異なりますし、過去には「障害の基準が不十分な選手がおり、公平性に欠ける」というニュースも報道されました。

車いすバスケ選手の障害の種類

ルールも通常のバスケットボールとほとんど同じですが、選手の障害の種類には、基準があります。

1.筋力低下 

2.他動関節可動域障害 

3.四肢欠損 

4.脚長差 

5.低身長 

6.筋緊張亢進

7.運動失調 

8.アテトーゼ 

9.視覚障害 

10.知的障害

上記の基準が、国際パラリンピック委員会の基準です。

障害の度合いは個人で異なり、痛みや状態を数値化することは難しいため、

今後、医療技術の進歩により基準も変わってくるかもしれません。

車いすバスケットボール選手のクラス分けについて

クラス分けで全体のバランスを平等にする

一言で障害と言っても、足が動かないだけではなく、背中の筋肉や腰の筋肉なども動かすことができない場合もあります。

反対にお尻の筋肉が使える場合もあるので、選手の身体機能に応じクラス分けをします。

公平な競技を目的として、ポイントでハンデを数値化するようなイメージですね。

障害の程度をポイント化する

各選手は身体障害の程度に基づいてポイントが付けられます。

このポイントに応じてクラス分けが行われます。

チーム全体での合計ポイントが制限されているため、チーム内でのバランスを保つことが求められます。

車いすバスケットボール選手の具体的なクラス

車椅子バスケットボールでは、出場する5名の持ち点を合計14点以内にするルールがあります。

クラス分けはどのようになっているのでしょうか?

パリ2024パラリンピックに出場する日本人選手もチェックしながら見ていきましょう!

※出場は、女子のみで、男子は予選敗退しました。

クラス1.0

1.0は、障害の度合いが一番重い選手です。

ハイポインターがドリブルやシュートを打てる状態を作りだすため、

車いすを巧みに操り、相手チームをブロックしたりガードします。

ディフェンスやアシストが、得点につながります。

特徴 2024パラ選手名
・重度な脊髄損傷

・大幹を使って向きを変えることができない

・背中の筋肉や腹筋が機能しない

・背もたれから離れたプレーができない

石川 優衣(1.0)

財満 いずみ(1.0)

西村 葵(1.5)

萩野 真世(1.5)

クラス2.0

2.0選手は、ローポインターとしての役割をしつつ、世界レベルの選手はシュートも正確です。

体をひねることができる選手もいるのでシュートやパスもでき、幅広く活躍する可能性も秘めています。

特徴 2024パラ選手名
・前に傾くことはできる

・大幹を使って向きを変えることができる

・腹筋、背筋の機能がある程度は残っている

・側面への動きはコントロールができない

江口 侑里(2.5)

大津 美穂(2.5)

小島 瑠莉(2.5)

柳本 あまね(2.5)

クラス3.0

2.0よりも上半身の動きが活発にできますが、身体の側面を巧みに動かすことができません。

特徴 2024パラ選手名
・下肢にわずかな筋力がある

・足を閉じることができる

・骨盤固定が可能

・深い前傾から上体を起こすことができる

・第2腰髄から第4腰髄損傷の選手

・両大腿(ふともも)切断者で断端長が2分の1以下の選手

清水 千浪(3.0)

 

クラス4.0

持ち点が高い選手は同時に出場すると点数が高くなるため、点数のバランスを取りながら出場します。

ハイポインターとしてドリブルや速攻で攻めるプレーで、シュートをし得点につなげます。

特徴 2024パラ選手名
・股関節の筋肉が残っている

・大幹を使い片側へ側屈運動ができる

・ 第5腰髄以下の選手

・両大腿(ふともも)切断で断端長が3分の2以上の選手

土田 真由美(4.0)

クラス4.5

特徴 2024パラ選手名
・大幹バランスがとれる

・安定して左右前後に上半身を動かすことができる

・軽度の下肢障害や脊髄損傷

・片大腿(ふともも)切断で断端長が3分の2以上の選手

網本 麻里(4.5)

北田 千尋(4.5)

 

車いすバスケットボール車椅子の高さや特徴

次は用具について見ていきましょう!

車椅子の高さや素材など、競技用の車椅子とはどのような車いすなのでしょうか?

車椅子の高さ

競技用の車椅子は車輪などの大きさの規定があります。

座面の高さはクラスで違います。

クラス1.0~3.0: 63cm

 

クラス3.5~4.5: 58cm以内

車輪の大きさ(大) 空気を入れた状態で69cm以下

大会では規定通りか採寸します。

車輪の数 3~4輪
バンパー高さ 11cm
シートの高さ 1.0~3.0の選手 63cm

3.5~4.5の選手 58cm以内

ハンドリム

(車輪の内側についている手で動かす部分)

左右一つずつ

使われる車椅子の特徴

コート内を自由に動きまわることができる車いすは、通常の車椅子とは異なります。

具体的な特徴は以下の通り。

・ブレーキがない

・折りたためない

・ハンドリム滑り止め付き

・固定用ベルト付き

・タイヤがハの字

・転倒防止キャスター付き(後ろ)

・座面は選手一人ひとりに合わせたオーダーメイド

・前方にバンパーが付いているのでぶつかっても足に直接当たらない

・パンクに備えてタイヤはすぐ取り換えができる

・素材はアルミorチタン

試合中にタイヤを交換している選手もいます。

オーダーメイド車椅子のため、海外選手はカラフルな色でオリジナリティが高いのも特徴です

シートは選手に合わせて、ミリ単位の座面を作るそうです。

車椅子の値段は?

国内、海外でもトップアスリートが採用している車椅子は松永製作所が作っていることが多いようです。

車いすバスケットボール男子イギリス代表選手も松永製作所を採用。

岐阜県にある車いすの専門メーカーです。

「B-MAXは36万円ですが、代表レベルになると障害や体格などに合わせた細かなカスタマイズを行ないます。それを一般競技者がやろうとしたら、50から60万円になるかと」

引用:NumberWeb

価格は、1台30万から60万円と言われています。

簡単に購入できる値段じゃないですね……

車椅子バスケ初心者の場合はチームのお古などをレンタルしてくれるそうです。

車いすバスケットボールのボールやゴールについて

車椅子バスケットボールで使われている用具は、通常のバスケと基本的には同じサイズです。

ゴールの高さ

305cm

通常のバスケと同じ
ゴールリング大きさ

内系45cm、外径48.5cm

通常のバスケと同じ
コートの広さ

縦28m、横15m

通常のバスケと同じ
ボールの大きさ

7号(NBAは6.5号)

通常のバスケと同じ

上記のように、通常のバスケと同じボールを使って、手の指が少ない選手がつかんだりシュートをします。

車いすバスケットボールと通常バスケとのルールの違い

車いすバスケットボールと通常のバスケットボールは、基本的なルールは同じです。

上記で解説したポイント制やクラス分けのルールだけでなく、プレーする際の主な違いを説明します。

①トラベリング

通常バスケ 車椅子バスケ
ボールを持ったまま3歩以上進むと「トラベリング」 ボールを持った状態で、車いすのリム(ハンドリム)を連続で2回プッシュした後にボールをドリブルかパス

3回以上漕いで(プッシュして)進むと「トラベリング」

②ファウル

通常バスケ 車椅子バスケ
故意に相手を妨害するような接触はファウル 故意に相手を押し倒したり、明らかに進行を妨げるような接触はファウル

ファウルは、通常バスケとだいたい同じです。

接触が体ではなく車椅子同士のこともあるため、判定がやや緩やかです。

③ダブルドリブル

通常バスケ 車椅子バスケ
一度ドリブルを止めた後に再度ドリブルを始めると「ダブルドリブル」 「ダブルドリブル」の反則はない

ドリブルしてボールを持ち、またドリブルの繰り返しができる

車椅子バスケットボールには、ダブルドリブルの規定はなくドリブルを繰り返すことができます。

…とはいえ、ボールを持った状態で3回以上漕ぐと「トラベリング」になります。

車椅子同士の接触が多いので、速攻でボールをシュートまで持っていくのは、至難の業ですね。

まとめ

車いすバスケットボールは、通常のバスケットボールと多くの共通点を持ちながらも、

車いすを使用するために特別なルールが設けられています。

特に、車いすの操作に関するルールや、選手のクラス分けによるチーム編成があるため、

車いすバスケットボール独自の魅力を生み出しています。

これらの違いにより、車いすバスケットボールはより戦略的でダイナミックなスポーツとなっています。

パラリンピックや生の試合でもぜひ、注目してみてくださいね。

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!

参考

JWBY(日本車いすバスケットボール連盟)

https://jwbf.gr.jp/wheelchairbasketball

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

error: Content is protected !!